log2015-11-13

logyyyy-MM-ddとしているものは研究や研究室での活動のログにしようと思います。
古いのは残していないので2015年11月からということで。発表や論文紹介などで使ったスライドはできれば公開したいのですが、論文の引用や画像がそのままだったりするので、必要があるときだけ(?)にします。

この日は午前に次の論文の紹介をしました。
Exploring Markov Logic Networks for Question Answering
Tushar Khot et al., EMNLP2015
http://aclweb.org/anthology/D15-1080
MLNを使って小学生程度の理科の選択問題を回答するというタスク。
問題文と選択肢の(prototypicalな)一階述語のグラフ表現に知識をalignmentしてネットワーク全体を計算するという手法でしたが、意外と(テキストやオンラインソースから構築したKBからの)知識の選択に失敗していて、そこがボトルネックになっていたようでした。正答率はせいぜい半分くらい。データセットも公開されています(論文参照)。

午後には次の論文の紹介をしました。
談話と論理 : 分節談話表示理論の紹介
白井, 2007
http://ci.nii.ac.jp/naid/110006381001
主に喋ったのは、談話構造系の理論である RST, DRT, SDRT の概要です。
RSTは核と従属項(訳語を知らないけどcoreとsatellite)の対応関係で説明しようとするもの、DRTは動的意味論として文脈を変化させるものとして文内部を構造化(主に変数のスコープや論理的な演算などが対象)しようとするもの、SDRTはDRTの文単位の構造に加えて文同士の修辞関係を構造化するもの。SDRTだと修辞関係のおかげで「最新の文が照応可能な文の候補」が限定されて、DRTで選択に失敗していた照応関係をうまく説明できるらしいです。あとは謬論理や分離的なモジュール化などが理論のポイント。
SDRTについての主著は
Logics of Conversation
Asher, N. and A. Lascarides, 2003, Cambridge University Press
ですが、とても厚い本で読むのに骨が折れています。ぽきぽき。
余談ですがAsherさんはLenls12で拝見して、そのときはMessage Exchange Gamesの話をなさっていました(日付的には2015-11-15のことだけど)。