書くことについて

 ものを書くということについて考えていた。というよりも、そこに世界をどのように描くかということだけど、記号に対応するような事態が自分の頭の中に構成されていないのなら、何を記しても世界は湧いてこないような気がする。だから何より大切なのは、頭の中にそれを置くことなのだと思う。そして頭の中に置かれたそれを、適切な仕方で分節化して構造化して、表現として外に出す。
・創作において1を100に膨らませるのが得意でもその1を0から生み出すのが苦手であるのなら、十分な時間を用意して眠りにつけばいいのだ、目覚める頃には、あなたの頭の中には何らかの物語の原型がある、あなたはそれを下敷きにして適当な嘘をでっちあげればよい
・舞台は記憶としての表象の再配置であり、あらゆるものはその構成要素を記憶に求める、だからあなたはあらゆるものを見て、聞いて、感じて、自らに刻み付けることを心掛けなければならない
・認識対象の構造化、そのスケールは化学的な組成から、装置の設計図、社会の階層、文明の地理的分布まで、あらゆる尺度で持たれなければならない、その構造化はすべて認識される瞬間になされなければならない、意味論的な写像関数の適用を意識下に置かなければならない
 ということらしいです。